17、アイナメ・キラー 3 勝手釣法

私のアイナメのベストポイントは富津下洲港だ。ここではテトラでの穴釣りと岩場でのミャク釣りで確実に釣果を上げられる。私にとっては困った時の下洲といった感じになっている。

ところが、そんな下洲でも南風が強い時はまったく釣りにならない。東京湾の外側からの強風がもろにこの富津岬のの漁港にぶち当たるからだ。行ってみるとわかるがこの港の防波堤は巨大だ。たぶん大型の台風の時を想定して作られているのだろう。海面からの高さは7.8mにもなる。

ある日私は多少の風を感じてはいたが、大丈夫だろうとふんで下洲に向かった。しかし下洲に到着すると弱いはずの風がかなり吹いているのがわかった。防波堤の上になると、もう釣りどころではないことがわかった。水深が浅いために波は異常に水しぶきを上げている。ゴミが漂着していいて、これでは糸をを出してもまともにポイントまで届かないだろう。

諦めて場所を変えることにした。途中通ってきたところはそんなに風は吹いてなかったはずだ。下洲から富津岬の中央を抜けて富津新港に出るともう風はほとんど吹いていなかった。私はようやく状況を理解した。風は南風だったのでまともに下洲港に吹きつけていた。しかし富津岬に反対側の富津新港には富津岬自体が暴風壁の役目をはたしていて風が治まっているのだ。

東京湾では各地の港がいろいろな方向を向いているのでそれぞれ場所で良い風、悪い風がある。今回の目的はアイナメだ。私は長浦でアイナメを釣った時のことを思い出していた。長浦は北西向きだ。南側に陸があるので風は下洲よりはましだろうと考えた。

富津新港では糸を垂れずに長浦に直行した。長浦港には奥と出口付近にテトラ帯と岩場がある。ちょうど下洲港と同じような環境だ。同じような環境では同じような魚が釣れる。きっとアイナメも潜んでいるはずだ。もとはといえば最初にアイナメを釣ったのもこの長浦だ。

長浦に到着すると早速私は竿を出した。多少風はあったがやはり下州に比べたら、ないと言っていいようなものだった。早速ミャク釣りを開始する。いつものようにオモリが底に着いたら上下の繰り返しで誘った。

ところが予想を裏切っていっこうにあたりがない。これはマズいと思い始めたが、あせってもしょうがない。昼ご飯をたべてないことを思い出した。腹が減っては戦ができぬ。と、調達に出かけた。もう2本ウキの付いた竿があったので、ウキを取って一緒に水の中に投げ込んでおいた。

5分ほどで戻ってくると3本とも竿の穂先が曲がっている。これは喰っているなとあわてて取り込みにかかった。

1本目、2本目には少し小型だがアイナメがついていた。やはりこの長浦でもアイナメの魚影は濃い。そう確信した。また、あんまりせわしなく誘うよりもただ仕掛けを入れているだけの方が簡単だ。ものぐさな私には合っている。そう考えて釣法を変えた。3本を入れっぱなしにしておいて2,3分ごとに1本ずつ上げてみる。これが当たった。根掛かりの可能性は高いが魚が掛かる可能性も高い。結局10匹以上のアイナメを釣りあげた。

アイナメ釣果

アイナメは勝手に餌を探し、食いついてくれる。アイナメの勝手釣法だ。釣る側は時々仕掛けを見てやればいい。最も簡単な釣り方だ。

実はこの釣り、玉ウキをつけてやるともっとよい。ウキが付いていると流れに乗って動くので誘っているようになる。最近ではタナをオモリが海底まで届くギリギリの位置に取ってほおっておく方法にしている。

今回のポイント

長浦港入り口テトラ帯

アイナメウキ釣り勝手釣法 オモリが海底に着く程度にタナを取り、波に任せて誘っていやる釣法だ。アイナメは餌を見つけるとその場で食べてしまう食いしん坊の魚だ。餌が目の前を通過すると必ず食う。

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