4、ハゼをたずねて三十里 3 行徳海岸編

娘が中学に入学するとサッカー部入部した。はじめての試合が夏休みに行徳のグラウンドで行われた。その場所は市川塩浜駅前。その先には海が広がっている。娘のアッシーを買って出て、一応釣り道具を積んで出かけた。試合応援の合間に1,2時間時間がとれるようだ。幸いなことにちょうどそのグラウンドの目の前が岸壁になっていて釣り客が何人も糸を垂れていた。

いつものように何人かの釣り人に話しかけて、釣果をうかがった。驚いたことに口々に結構釣れていると答え、バケツを覗くと数十匹のハゼが入っていた。はやる気持ちを抑えてゆっくり仕掛けを投入した。

このとき入れ食いというものを初めて体験した。竿は2本用意していたが最初の1本を投入するとそれが釣れ、針をはずしている間にまた別のが釣れという具合だ。この場所は岩場と砂場が混じっているようなところで水深は深くても1,2m。ハゼには最も住みやすい環境だ。ただ岩が多いので仕掛けはよく引っ掛かる。ジェット天秤を使う2本バリの仕掛けが一番有効だった。結局1時間弱で30尾くらい釣っただろう。から揚げにして晩酌のビールのおつまみにしていただいた。

その後何十回とこの海岸に通って隅から隅まで調べ尽くした。ここにハゼ釣りの秘伝を紹介しよう。私はこのやり方で通常2時間程度で30~40尾を釣りあげる。

好ポイントは2か所あるが時期も釣り方も多少異なる。1つは行徳港よりやや江戸川放水路寄りの一帯。もう1か所は浦安寄りの京葉線の高架下から猫実川河口あたり。お勧めは行徳港付近。車を横付けにできるので面倒くさがり屋の私にもありがたいポイントだ。

ポイント

行徳海岸

水深が浅い泥砂地の汽水域を好むハゼは、東京湾ならどこでも釣れる。ハゼはほとんどが1年魚だ。冬に生まれたハゼがデキハゼと呼ばれる5,6cmに成長するのが6月頃だ。その時期から5カ月ほどハゼは餌を食むために沿岸域や河川に現れる。この時期のサイズは小さいが数釣りができる。おもに唐揚げで食べる。

水温が下がると深場に移動して産卵の準備をする。この時期は落ハゼとよばれ、サイズは15cmほどになる。数は釣れないが天ぷらはもちろん刺身にしても上手い。

ハゼの釣り方

夏の浅場での釣り

水深2m未満(このポイントの場合、行徳港付近)

狙うのは小型のもの。数釣りができる。

1、時期は7~9月

2、時間帯は昼間。夜はほとんど釣れない。潮目は上げはじめから満潮までがいい、ただしいつでもある程度の数は釣れる。

3、サイズ 5cm~15cm 遅くなればなるほど大きくなる。

4、仕掛け

① ミャク釣り  道糸にスナップサルカンで4号程度のオモリと5号~7号程度の針をつなげる。針は赤ハゼの方が良い。

② チョイ投げ

先ほどのミャク釣り仕掛けで大丈夫だ。

岩が目立つようなら、道糸にスナップサルカンで8号程度のジェット天秤を結び、5号~7号程度の針をつなげる。

餌の青イソメは2cmほど使い、1cmほどタラシをつける。5mから25mくらい投げ、少しずつ手前にサビく。岩が多い場合根掛かりしないポイントを探すのが重要。仕掛けを失ってもめげずに繰り返す。針は2時間で20本程度確保しておく。ハゼは群れでいるので釣れたポイントを繰り返し探る。

③ ウキ釣り

水深が浅めの場所ならウキで狙ってもおもしろい。

道糸に小さめの玉浮をつけ、スナップサルカンで板オモリとハリ5号~7号程度の針をつなげる。

干潮時には陸になっている部分が、潮が上がってきて水深が50cm以上になるとてもよく釣れる。エサがちょうど海底に着くように調整し波に任せて躍らせる。自動的に誘っているような感じになる。ハゼの目の前を餌が通り過ぎるのですぐに飛びつく。しかも岩に根掛かかりせずに手返し良く取り込めるので、ハゼ釣りには最良な釣法。私はこの方法で3時間程度で1束(100尾)釣ったことがある。

秋の深場での釣り 

水深2m以上(このポイントの場合京葉線の高架下あたり)

狙うのは大型のもの 数は少ないが時には超大物も。私も25cm以上の大物を釣った事がある。刺身でいただいたが絶品だった。ある程度投げるか港などの水深があるポイントでの釣りになる。

1、時期は9~11月

2、時間帯は昼間または夜。昼間も釣れるが暗いなってから急に釣れだすこともある。

3、サイズ 12cm~25cm 遅くなればなるほど大きくなる。

4、仕掛け

① 道糸にスナップサルカンで4号程度のオモリと7号~9号程度の針をつなげる。ハリスは1号程度だ。

② 岩が目立つようなら、道糸にスナップサルカンで8号程度のジェット天稟を結び、7号~9号程度の針をつなげる。ハリスは1号程度だ。夜は針に夜光玉をつけるとよい。

餌の青イソメは3cmほど使い、2cmほどタラシをつける。15mから40mくらい投げ、少しずつ手前にサビく。岩が多いので根掛かりしないポイントを探すのが重要。仕掛けを失ってもめげずに繰り返す。針は2時間で2セット、20本程度確保しておく。ハゼは群れでいるので釣れたポイントを繰り返し探る。

これはあまり知られていないことだが、水深の深いポイントでは2年物が冬の夜釣りで狙える。大物を数釣りしたければトライしてほしい。 

ゴロタ場が近くにある場所だと10月くらいから外道でワタリガニが釣れることがある。味噌汁にすると最高だ。取り込み用の磯網を持っていくことをお勧めする。

これらの方法をぜひ一度試してほしい。

ハゼは本当においしい魚だ。しかもどのような食べ方をしてもうまい。キスの場合、ほぼ食べ方としては天ぷらに絞られるが、ハゼは天ぷらでも刺身でも唐揚げでもなんでもOKだ。

ポイント

行徳海岸で釣った。

先の東日本大震災で護岸の一部が壊れて危険な場所がある。現在護岸工事がなされている。立ち入り禁止の札が立っているところには絶対に入らないこと。

ハゼは東京湾岸地域どこでも釣れる。各地の干潟や河口付近の浅瀬に夏になると集まってくる。

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